ジーンズが好きで、形はオーソドックスなストレートジーンズ、色々なジーンズを履いていますがやっぱりLevi’sの501が大好きです。Levi’sの501は、歴史が古く、ギターや時計なんかと同様ヴィンテージのセカンドマーケットが形成されていて古くは19世紀のものから、戦前、大戦中、戦後、50s、60s、70s、80s、90s,、2000年代から現在と様々なバリエーションが存在します。
コレクターやマニア、あとファッションアイテムとしてのマーケットが形成されていて古いものやレアで状態の良いものになると、とんでもない価値になり、世界中に愛好家の多いジーンズやファッションをという括りを超越したものになっています。
501から影響を受けたジーンズも多く、そのフォルムやディテールを取り入れたものや、忠実なレプリカ、Levi’s自身もアーカイブ的に特定の年代を忠実に再現したモデルを出し、その影響下におけるジーンズは多数存在し、現在進行形で生まれています。
そんな中で今回は、一番好きな501XXと言われるモデルを紹介していきます。
501XXと言われるモデルは一般的に1947年から、1960年代中期に販売されたモデルを指しています。
その理由は、501の背面(お尻の右ポケットの上)ベルトループ右側に商品名を示すパッチがありそのパッチにLevi’sの名前とともに、501XXと表記されています。1960年代中期以降この501XXの表記から、501と表記が変更され、以降のモデルは通称Big-Eとか66モデルと呼ばれ分類されています。
このLevi’sのジーンズの特徴的なパッチですが、ヴィンテージのジーンズではほとんど取れて紛失しています。残っていても、表記の判別が出来ないなどがほとんどで、世の中に販売されているヴィンテージの501はその他の特徴的なフォルムから、販売時期を特定してモデル分けされています。
実際1947年以前のモデルのパッチにも501XXと表記されていますが、1947年以前のモデルは通称大戦モデルと言われる第二次世界大戦中に販売されたものや、戦前のモデル、それより古いモデルにはそれぞれの通称があり501XXと言う呼び方をしていませんので、ここでは、501XXと言われるモデルは1947年から1960年代に販売されたパッチに501XXと表記されたものの総称としてお話をしていきます。
- 1946年まで(通称大戦モデル※戦後転換期に後の47と大戦モデルのフォルムが混在したものあり)
- 1947年から1953年頃まで 革パッチ前期片面タブ 501XX
- 1953年頃から1955年頃まで 革パッチ後期両面タブセンターループ 501XX
- 1955年から1960年代途中まで 紙パッチ(フォルムの特徴で分類、ギャラ有り無しなど) 501XX
- 1960年代中盤以降1970年代中盤まで Big-Eとか66モデルと言われるモデル
ここで紹介する、私が愛用する501XXは1953年から1955年頃に生産された通称54モデルと呼ばれるモデルになります。他に55モデルと言われるもう少し後に生産されたモデルも所有しています。この55モデルは別の記事で紹介します。
501XXは戦後から1960年代にかけて大量生産されたモデルで、それ以前から作られていた作業着をルーツにしたデニム生地で作られたパンツの一つの完成形になります。
作業着として作られ改良を重ねて来て出来上がった501XXの機能美が、その後の501や501に影響を受けたジーンズに引き継がれていき、現在のジーンズの原点となり、そのオリジナルである事が、私の感じる501XXの最大の魅力であります。
60年前に作られた、現在のジーンズのルーツでありながら、まだまだ、普通に履ける個体がある事と、古着やヴィンテージ、アンティークと言われるものの一つの価値基準でもある、経年劣化の風合いが非常に魅力的であり、わかりやすい事も501XXの魅力です。
- 現在のジーンズの原点でありオリジナルである事
- 60年近く前の古着でありながら、普通に着れること
- 60年近い年月の経過による個体毎の経年劣化の風合い
- 経年劣化の風合いの状況や個体の状態が全て世界に一つしかない事
- 同じ状態のものを再現出来ない事
- 経年劣化の風合いが作られたものではない事
- 現在影響を受けた多数のジーンズの元になった本物である事
- 経年劣化の風合いが魅力的でわかりやすい事
501XX以前のモデルも大変魅力的ですが、現存する個体も少なく、歴史的な価値の評価が高く、かなりの高額になっている事や、状態も普段履きするのが難しい事、フォルムが現在の501と微妙に異なっていること(これが魅力でもあります)などがあり、今、販売されている、501や、501をリスペクトして作られたジーンズは、この501XXのフォルムを基本としてるケースが多く、その事がこの501XXをオリジナル501と考える根拠になっています。
(諸説あり視点としては別の視点もありますが、後の製品への影響という面では大きいのではないでしょうか)
501XXに限らず、501は現行品も含め非常に魅力的なジーンズであり、ジーンズという括りではなくパンツとして広く見ても魅力的なファッションアイテムです。
私がジーンズを好み、ほとんどのシーンでジーンズを履く理由に、男性ファッションの基本中の基本の色はと言われたら、第一にブルー、第二にグレーと答えますが、ジーンズのインディゴカラーと呼ばれるブルーは正に第一のブルーに合致しています。このブルーが合わせる服を選ばないので着こなしの幅が広くファッションアイテムとしても非常に魅力的です。
また、501は所謂ストレートジーンズと言われるあまりテーパードしていないシルエットになりますが、身体にフィットしすぎないシルエットのおかげで、履いた時に絶妙にシワが出て、退色したインディゴの色との相乗効果で、足や腰回りのラインが綺麗に見え、全体のスタイルが良く見えます。
その中であえて501XXの魅力をまとめてみました。
- 60年代以降501のシルエットは以前よりテーパードのラインとなります。501XXはストレートシルエットなので、わたりが少し太めですが、そのことが、実際に履いた時に絶妙なシワとなり、そのシワがスタイルを良く見せてくれます。
- 501XXのステッチはイエローステッチと呼ばれ、以降のオレンジステッチに比べてインディゴブルーとの色差で明るく目立って見えます。(退色が進んで薄い水色の個体だと逆に目立たない)このステッチが以降のモデルより魅力的に見えます。
- 501XXは昔からそれなりの価値や評価をされた事で、大切に扱われて来た個体が多く、色残りがしっかりしている個体が比較的多く、綺麗なインディゴブルーを楽しめる。
- ジーンズの最大の魅力は、色落ちの風合いですが、製造から60年を経過した事で、再現出来ない魅力的な色落ちをしている事、ボタンや、リベットなどが当時のもので、時間の経過で絶妙な風合いになっている事があります。
- 60年を経過したもので、生地自体も劣化していて、穴や破れなどもありタタキと言われる修復をした個体もあるが、これを模倣し劣化を作る現在の商品と異なり、自然と劣化し修復した事による再現出来ない魅力的な風合い
- デニム生地は基本硬いのですが、流石に年月を経ていて生地自体が柔らかいので、履いた時の感触がいい事、ただし、生地が柔らかく、縫製の糸も劣化しているので、ほつれや穴が開きやすい。
私が所有する501XX 54モデルを選んだ理由に、ジャストサイズ(ウエスト30inch レングス32inch)、ダメージなし、裾上げなし、色落ち具合もしっかりインディゴブルーが残った、非常に状態が良かった事があります。
60年前に製造され、後のジーンズの原点となった歴史的背景と、60年の時間経過で、非常に魅力的な風合いになっていて、私のジャストサイズでもある今回紹介した501XX 1954Modelですが、履いていて非常に気持ち良くどんな服にも合いますので履く機会も多く、愛着やこだわりもあり、大事にしています。
ジーンズを履く事は、私のファッションスタイルの基本です。その中で、背景やストーリー、実際の風合いの良さがあるヴィンテージの501XXは、ファッションを楽しむ事に夢中にさせてくれるもので、長く大事に付き合って行きたいと考えています。
購入の際、フォルムや年代、状態によって価格に大きな差が出るのも、年代ものの宿命であります。そのような商品ですので、年代毎の特徴などある程度知っておいた方が良いのですが、信頼のおけるお店であれば適正な価格がついています。興味があれば、気に入ったジーンズについての商品説明をしてくれるので、熱烈なコレクターでなければなんとなくの知識で十分なのではないかと考えています。WEBで調べれば詳しい情報も出て来ますので参考までに調べてみる事をお勧めします。
趣味性の高いものなので、その商品に関わるフォルムや状態を話す時など、年代ごとのフォルムやディテール背景などを知っていると話が弾みます。個体ごとに経年のストーリーを持つので、その事がコミュニケーションのきっかけになるのもジーンズに限らすヴィンテージと言われる趣味製の高い商品の面白さです。
深みのあるインディゴブルーとイエローステッチが501XXの魅力でもあります。
- Levi’s 501XX 1954 model
- 皮パッチ (紛失)
- センターベルトループ
- 両面タグ ®︎入
- ウエスト 30inch 長さ32inch
- 破れ箇所なし 裾詰めなし、インディゴの色は濃いめに残っています
- 自分の身体にあったサイズ
- 青みの強い綺麗なインディゴブルー
- 501全般に言えるのですが着用時の腰回りのラインが綺麗
- 古いジーンズながらダメージがあまりないので、テーラードジャケットなどとの相性も抜群
- 501全般に言えますがシルエットが綺麗で、スタイルが良く見える
- 洗濯時の色落ちの問題
- これから購入を検討するとなると高額になっている事
- 洗濯の問題から、汗を掻く夏はあまり活躍の機会がなくなる事
- 全てが一点ものなので、自身に合うサイズを探すのが大変
501は、ミリタリーや様々なTシャツやシャツ、テーラードジャケットから、冬場はライダースやフライト系のレザージャンパー、スタジアムジャンパーなどの王道から、コートや厚手のニットなど男性ファッションで選ぶアイテムほとんどと相性が良く、合わせるアイテムを限定しません。
その中で、少しこだわりのあるヴィンテージの501を選んで見ると、身につけるアイテムが引き立ち、何気なく着る服も素敵に見えて、持っている服の良さを再確認出来ます。
私はジャストサイズのストレートジーンズが好きなので、ジャストサイズを選んでいますがあえてサイズを上げて腰履きしても素敵に履けると思います。
501XXの50sのジーンズを紹介していますが、60s以降のものも魅力的です。ヴィンテージマーケットの特性ですが、古いもの希少なものの価格が高くなるので年代が新しいものを選ぶ事も選択の一つです。私も、90sの年代の新しい501や505を愛用しています。(それでも30年近く前のもの)
昨今、機械式時計人気も定着し、色々な方が素敵に身につけられていますが、機械式時計との相性も抜群でお持ちの時計もさらに引き立つと思いますので機会があれば手にされるといいのではないかと思います。
愛着のあるキーアイテムを起点にファッションを組み立てたり、身につけるものを選んでいくとトータルで、着る人の素敵なアイデンティティが出来上がっていくと思います。その中で、私自身長く愛着の持てる品をこれからも紹介出来たらと考えています。
今回の記事で、501XXを取り上げています。501XXに限らずジーンズが私のキーアイテムであり、今後このキーアイテムを起点にしたファッションや身につけるものを紹介していきます。
今回の記事で、新旧問わずLevi’s 501、ジーンズに興味を持たれた方がいたら幸いです。
Fake-a
今回紹介した501XXモデルは、東京原宿にあるFake-a(フェイクアルファ)さんで購入しています。
私が紹介するまでもないくらいの老舗で有名なお店で、取り扱っている古着のクォリティや状態が非常に高く、コレクターの方が見ても納得出来るようなお宝がお店に並んでいます。このお店の凄さに、40’sや50’sながら、ダメージがほとんどないジーンズやデッドストックに近いものなど商品に対する強いこだわりがあり、ジーンズ以外の古着も、現行品のような状態の良さです。老舗の名店なので、状態の良いものも多く高価格になりがちですが値段も適正で、値段についた価値は間違いがないので、こだわりの一本、こだわりの一枚を探すならこのお店は間違いなく満足出来ると思います。
私の501XXも、よく言われるヴィンテージの501の少し退色した時に出る青みの強いインディゴが良くわかり、ヴィンテージのデニムの素晴らしさが体感出来るのもこのお店の仕入れに対するこだわりと、扱う商品への目利きと自信が現れていると思います。
ここの店長さんは、50’sのアメリカの不良がそのままタイムスリップしたようなイカついルックスでちょっと話しかけ難い印象ですが、非常に親切で、商品知識や古着に対するこだわりや愛着が高く、一つ一つの商品を丁寧に説明してくれます。また試着の感じや、他の商品との比較なんかのアドバイスも的確で、満足いく商品選びが出来ると思います。
クォリティの高い古着を探しているなら一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
別項で紹介しますが、Lee101Zの50’sや同じく50’sのコーデュロイシャツもここで購入しています。
Fake-aさんは、原宿で有名なベルベルジンさんと同じ系列でWEBサイトが共通になっています