501XX 54Modelの記事でも書きましたが、私はジーンズが好きで、オーソドックスなストレートジーンズが大好きです。その中でもLevi’sの501が一番好きで複数所有しています。その中でも履く機会の多い501XX 55Modelについて紹介します。
54Modelはレングスが32inchなので、ブーツや踵のあるローファーなんかと合わせる事がほとんどで、スニーカーだと少し長いので、ロールアップする必要があります。今回紹介する55Modelは、レングスが30.5inchでスニーカーやサンダルなどと合わせるとちょうど良い長さなので、New Balanceをはじめとしたスニーカーと合わせて楽しんでいます。
ヴィンテージの501は様々な種類がありますが、製造時期と製造時のフォルムで種別されています。今回紹介する55Modelは1955年から1960年代半ばくらいまで製造された501で、501XXの名前がつく最後のモデルであり、通称紙パッチ期の501XXと言われています。私の所有する、55Modelは推定ですが1958年くらいに製造されたモデルと言われています。(購入したお店の説明)
紙パッチと言われていますが、私の個体を含め、ほとんどの個体で、洗濯によりこの紙パッチは取れて無くなっています。501XXの紙パッチ期の特徴である、センターベルトループずれ、Big-E両面タグ、銅メッキのリベットなどから推測してモデルを特定されています。このモデルが魅力的なのは、その後の501が時代の要請から、テーパードラインにシルエットを変更していきますが、紙パッチ期の501XXはオリジナルのストレートラインである501の最後のモデルであり、作業着のフォルムと機能美を残した最後の501であるからです。
この個体を選んだのは、私のジャストサイズである、実寸29.5inchのウエストと30.5inchのレングスがちょうど良く、持っている他の501が32inchのレングスで少し長い為、ブーツやローファーなどの踵が高い靴に合わせるといいのですが、スニーカーやサンダルだと少し長いので、スニーカーやサンダルなど踵に高さのない靴と合わせるのにちょうど良い501を持っていなかった事が購入の理由になっています。
ヴィンテージジーンズは古い個体であるので、生地の痛みや修復など着用による劣化を考える必要がありますが、この個体はフロントボタンや、膝まわりなど痛みやすい箇所にリペアが入っているので、生地の痛みを気にせずに履くことができます。レングスもオリジナルで、裾上げを行なっていないので、裾のあたりが綺麗に出ています。
合わせる服は、54モデルを履く時に比べカジュアルなものが多く、冬だとテーラードジャケットより、ダウンジャケットにスニーカー、夏だと、古着のコーデュロイシャツや、モールスキンのワークウェア、シンプルにTシャツにスニーカーなどの組み合わせが自然と多くなります。私の個体は、リペアがあり、破けた箇所は、タタキでしっかり修復してありますので、あまり気にせず履いていけます。この個体に限らず、501の特徴として少し浅い股上が、腰周りをすっきりと綺麗に見せてくれるので自然とスタイルが良く見えます。
インディゴの色残りは、そこまで濃くはないのですが、よく言われる、ブルーの色合いがしっかり残り、イエローステッチもほどほど残り、全体の色落ちや汚れも派手なパターンではないので、癖がなく合わない服はないので非常に重宝しています。
同じ年代のオープンカラーのコーデュロイシャツと合わせています。
- Levi’s 501XX 1955 model
- 紙パッチ
センターループずれ - 両面タグ ®︎入
- ウエスト 29.5inch 長さ30.5inch
- 破れ箇所修復 裾詰めなし、インディゴの色は程よく退色
- 自分の身体にあったサイズ
- 程よく退色したインディゴブルー
- 501全般に言えるのですが着用時の腰回りのラインが綺麗
- ウエスト、レングスがジャストサイズなので、靴を選ばず楽しめる
- 501全般に言えますがシルエットが綺麗で、スタイルが良く見える
- 洗濯時の色落ちの問題
- これから購入を検討するとなると高額になっている事
- 洗濯の問題から、汗を掻く夏はあまり活躍の機会がなくなる事
- 全てが一点ものなので、自身に合うサイズを探すのが大変
54Modelの記事でも書いてますが、501は合わせる服を選ばないので、幅広くコーディネートを楽しめます。ただ、古いモデルで一点ものなので、サイズや、雰囲気が自分にあったものを選ぶ事が難しいと思います。
私はたまたま自分のサイズのものがあり状態も納得出来るものなので購入していますがヴィンテージのジーンズに限らず、アンティークウォッチや、ヴィンテージギターなど、気長に探す事が結局満足のいく結果につながるのではないでしょうか。
余談となりますが、ヴィンテージの衣類や時計ギターなどは、コレクション目的として販売されているものと、実際に使用することを目的として販売されているものがあります。コレクション前提の場合、値段も高価になりますが、状態の維持が価値の前提になるので、使用し劣化していくと価値が下がってしまいますので結果的に所有のみが目的となります。
自身での使用を目的とするなら、そこまでの骨董的な価値を求めずに探した方が楽しめると思います。(経済的な負担も軽くなります。)私の場合は、自身で使用することを目的としているので、そのような基準でものを探しています。
ヴィンテージジーンズの良さに一点ものであり、そもそもがファッション的なオシャレさを追及して作られたものではなく、当時は作業着として作られています。機能美やそこに至った時間、フォルムは物理的に再現できても、個体ごとの時間経過による再現は不可能であり、同じものを作れない事が魅力であります。この要素が、私だけでなく世界中の方が夢中になる理由になっているのではないでしょうか。
ヴィンテージやアンティークといったものは、価値自体が絶対ではないので、信頼できる人やお店を見つけて納得できる形で購入するような環境を探していく楽しみもあります。
この記事を読んでいただいた方が、ヴィンテージやアンティークという得体のしれないものから、そこにあるちょっと面倒だけど魅力的な楽しみに興味を持たれるような参考になれば幸いです。
Marvin's
私が愛用する501XX 55Modelは原宿にあるMarvin’s(マーヴィンズ)さんで購入しています。
マーヴィンズさんも、54Modelで紹介したFake-aさん同様、ここで私が紹介するまでもないくらいの老舗の有名店です。店主はヴィンテージデニムの日本における第一人者で、お店の品揃えも、超がつくようなお宝から、日常使いの出来るものまで、店内に所狭しと並んでいます。サイズ毎に整理され、値段や年式などが分かるタグが各商品にわかりやすく貼られているので、予算や大体のサイズ感などを陳列から判断出来るようになっています。
気に入った商品があれば、声をかけて試着も出来ますので、ご自身にあったヴィンテージデニム(メインは501)を見つける事が出来ます。購入の際、商品に疑問があれば、店主に聞くと、細かなディテールの説明や、値段の根拠になっている状態について、詳しく説明してもらえます。あと購入の際、後の洗濯や、リペア、取り扱いの注意点なども詳しく教えてくれます。何より、このお店と店主なら間違いないという長年の経験や信用のあるお店なので、どの商品も安心して購入できます。
また、割と、履いてなんぼな商品も多数なので、必要なリペアはちゃんとしてあり、破れやほつれなどを気にせず、履くことが出来るのもマーヴィンズさんの扱うデニムの良さになります。
初めて、ヴィンテージデニムを買うのは、お店を選ぶ所から敷居が高く感じますが、マーヴィンズさんのような老舗で商品に間違いのないお店を選ぶと、買った後の実際に履く楽しみも充実していくと思います。