Drupalを理解する為にAdminコンソールの構成をまとめてみます。
Drupalの管理画面にログインすると以下のようなメニュー構成になっています。DrupalでWEBサイトを構築していくには必要な機能がどこにあるかを理解する必要があります。Drupalの特徴に機能を実際に使用する場所と、機能の設定をする場所が異なっています。初めてDrupalを利用した際に、この実際に使用する場所に設定項目がない事に戸惑いました。
実際にページを作成する場所はコンテンツという場所にありますが、ページの構成や役割を設定するにはサイト構築のコンテンツタイプという場所で設定を行う必要があります。この、実際の使用場所と設定を分けている事が最初は分かりにくく使い慣れると非常に便利であるという事が理解できます。この使用する場所と設定する場所が異なっている事がDrupalを初めて使うと、最初に躓く項目かなと考え記事でまとめてみました。
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// Drupal Admin コンソールの各項目
今回、Drupalのメニュー構成についてまとめて行きます。
WEBサイトを構築していく為に使用する機能は主に
ホーム > 管理
に集約されています。全8項目に分かれていますので、簡単に概要をまとめてみます。
コンテンツのメニューは実際に使用するページを作成する機能が置かれた場所になります。
コンテンツのメニューを開くと、コンテンツ/ブロック/コメント/ファイルというサブメニューがあり、コンテンツを選択すると実際に公開するページを作成するメニューが表示されます。コンテンツを追加をクリックして、ページのタイプを選択すると新規にページを作成することが出来ます。
記事を書いたり、ガイドなどの固定ページを作成したりするのは、このコンテンツで行います。WEBサイトを構築していく上で常時一番使用する場所でもあります。ブロックやコメント、ファイルなどもここで管理します。コンテンツの名前は実際に公開するコンテンツを管理する場所と認識すると分かりやすいと思います。
ブロックとありますが、ブロックは公開するページに自由にレイアウトし読み込めるパーツ化したページ要素になります。フッターやサイドメニューなどを作成するのが一般的かと思います。
コンテンツが公開するコンテンツを作成し管理する場所と定義しましたが、公開するコンテンツに何を含めどのような形で公開するかの設定を行うメニューがサイト構築のメニューになります。
コンテンツの項で、公開するための記事やページ、ブロックを作成して行きますが、デフォルトで用意された記事や固定ページには実際に公開したい記事に必要な、タグやカテゴリー、公開日時、記事作成者などの要素が含まれていません。公開ページに必要な要素を追加したり、設定するのは、このサイト構築のメニューから行います。
実際に公開するページに必要な構成要素を設定し複数のページ形式や記事の形式を自由に作成出来るコンテンツタイプや、ヘッダーやサイドメニュー、フッターの設定を自由に行えるブロックレイアウト、タグやカテゴリーを構成するタクソノミーの設定、タグやカテゴリーを基準に一覧ページにまとめ自由に構成できるViewsなど、実際サイトを目的に応じて構成していく設定を行うのがサイト構築のメニューになります。
サイト構築の各メニュー項目は、WEBサイト構築に必要と考えられる機能を、目的に応じ細かくかつ柔軟に設定出来ます。DrupalでWEBサイトを構築していく機能の基本でもあり、Drupalを利用する最大の利点でもあるので機会を設け解説出来ればと考えています。
Drupalで構築したWEBサイトのデザインはこのテーマを使用して構成されています。使用するテーマを選択したり、選択したテーマの基本設定はこのメニューから行います。
これまでの記事で私が使用するテーマがBootstrap5のテーマと何度か記事に書いています。おそらくご覧になった方の中にはBootstrapのCSSやJavaScriptでページを構成しデコレーションを行なっているのはわかるけどBootstrap5のテーマって何?と疑問に思われている方もいるかと思います。
Bootstrap5というフレームワークがあり、このBootstrap5をDrupalにインストールし、基本設定と必要なHTMLタグをBootstrap5で構成し、ページを作成する際に、classなどCSS要素を書かずに最初から用意されたBootstrap5の要素で構成したページを作成し公開出来るテンプレート化されたテーマがBootstrap5のテーマになっています。
私は、Bootstrap5のテーマを使いWEBサイトを構築しています。デフォルトではOlivero 10.3.6(公開用テーマ)、Claro 10.3.6 (管理用テーマ)がインストールされています。Bootstrap5サブテーマ(公開用テーマ)としClaro 10.3.6 (管理用テーマ)でWEBサイトを構築しています。
DrupalはCoreプログラムがあり、Coreプログラムが持たない必要な機能を拡張をすることで、目的とするWEBサイトを構築する事ができます。Drupalの機能拡張する機能はモジュールと言われ、パッケージ化され、Drupalの公式サイトで配布されています。
Drupalの良さに公式サイトのコミュニティーが非常にしっかりしており、配布されるモジュールの検証を行い、安定版と認定されているモジュールはCoreプログラムのバージョンや、PHPのバージョン、DBのバージョン、他にインストールされ関連するモジュールとの依存関係による動作確認を済ませています。
この機能拡張で使用するモジュールを管理するメニューになります。
過去の記事で、インストールしたモジュールを紹介していますが、DrupalCoreがデフォルトで用意するモジュールと、別途インストールし追加したモジュールがこちらで管理出来ます。一度インストールしたが使用しないモジュールは簡単にアンインストール出来ます。Google reCAPTCHAを使用可能とするモジュールなどもここで管理しています。
WordPressと異なり、100%AdminコンソールのGUI上からインストール出来る訳ではなく、新規のインストールはComposerでインストールする必要があります。インストールが完了したモジュールのアップデートはCronが感知し、告知してくれるので必要に応じてAdminコンソールから行う事が出来ます。
Adminコンソールの基本設定やWEBサイト構築機能とは別にCMSのシステムとしての設定をこのメニューで行います。サイトの概要やユーザーの設定、言語の選択やタイムゾーンの設定や、開発項目のパフォーマンス機能でキャッシュのクリアや取得するログの設定などもこちらのメニューで行います。
このメニューを分かりにくくする要素にインストールしたモジュールの設定がこのメニューに追加されます。reCAPTCHAやメタタグ、SMTPなど機能拡張でインストールしたモジュールの設定はこちらのメニューから行う必要があります。
通常良く使用する機能は、 ページを作成したり、更新した際に、変更がキャッシュにより反映されていない場合にキャッシュをクリアする事や、アップデートを行う際に、メンテナンスモードに切り替え、完了したら元に戻すなどの使用が多いです。
基本的にシステム的な機能追加や設定を行うメニューになっていますので、一度設定を行うとキャッシュのクリアと、メンテナンスモードの切り替えがメインで使用する形になると思います。
WEBサイトのアクセス権限や場合によってはWEBサイトの構築を許可するユーザーの権限を管理するメニューになります。登録されたユーザーの一覧が表示され、ユーザーに与える権限や、メールアドレスやパスワードの編集もこちらで行えます。
当WEBサイトのように個人で運営するWEBサイトにおいては、1人の人間が全てを行うので、ユーザーアカウントを複数設定する必要はありませんが、adminユーザーとは別に、記事を書いたりWEBサイトを構築したり編集するユーザーを別途用意し、通常はそのユーザーがWEBサイトを運営していくような形をとるとセキュリティーやエマージェンシーを考えた場合望ましい形であるので私自身もその形をとっています。
当WEBサイトでは行なっていませんが、一部のユーザーにのみ閲覧を許可する会員サイトや、企業などで、運営を複数人数で行う場合に使用する機能であり、権限の設定や階層の設定、登録や承認プロセスが柔軟に設定出来ますのでDrupal Coreが持つ優れた機能の一つでもあります。
Drupalの稼働状態を見ることが出来るメニューになります。サイトの状態で現状のシステム構成を確認したり、Cronによる更新状況やアップデート状況、エラーや問題点も表示されるので、表示されていたら指示に従い修正して行きます。ログもここで確認出来ますのでアクセス状況や、エラーログ、悪質なBotの訪問なども確認出来ます。記事内容の検索ワードとしての登録状況や翻訳の進捗状況などもこのメニューから確認出来ます。
普段見るレポートの項目に、ログ状況があります。WEBサイトを公開すると、どうしても様々なアクセスが来ます。その中には、意図しない好まざるアクセスも含まれており、場合によっては対処する必要があります。
悪質なBotはハッキングを目的としたものやサイトへの誘導を書き込みに来たものなど様々な種類があり、何を持って悪質なBotと判断するかはエラー内容を確認し、nsLockupでドメインを確定しNICでドメインを調べる必要があります。特徴として短時間に複数のエラーを出しており、存在しないディレクトリへのアクセスなどがエラーとして表示されるので、判定はそれほど難しくはありません。
見つけた場合の対処として、環境設定に禁止IPを登録出来ますので、禁止IPを登録すると以降アクセスがなくなりますが、それでも来る場合があります。多数の悪質なBotが来るようであれば、WAFの導入と設定をしっかり行い対応する事を検討ください。
Drupalの利用方法や各種機能についてのガイドが一覧で表示されています。基本的な利用方法を簡潔にまとめたガイドになっていますので機会があれば目を通す事をお勧めします。
問題点として、部分的に日本語、英語と混在したガイドになっており読みにくいところもあります。トピックがリンクされており、機能によっては、公式サイトのより詳しいガイドへのリンクや、開発者向けにPHPの構造や解説なども記載されています。
私自身もヘルプ機能はまだ軽く目を通した程度であり、Drupalの各機能をもう少し深く理解し実利用として使いこなしていく段階でもう少し詳しく見てみようと考えています。DrupalやWordPressなどCMSの利点に、ガイドを見なくてもある程度までは利用出来てWEBサイトを構築する事が出来ます。私自身がこのレベルであるので実際に利用しながら知識を深め、使いこなして行きたいと考えています。
今回、DrupalのAdminコンソールのメニューと機能について簡単にまとめてみました。Drupalの良さでもある、目的と機能を使用と設定に切り分けて考えている事が、Drupalを利用し始めた時に理解出来ておらず、何をすればページ構成を目的とする形にできるのかといった疑問があり、いろんなメニューを見てなんとなく理解し、実際に設定を行い、コンテンツでページを作成しながら現在の形になっています。
- 例えば、LifeStyleの記事を作成する際、タグやカテゴリー、投稿者や投稿日時、画像などページを構成する要素の設定をする必要があります。この設定を行うメニューが複数のメニューに分かれている事を理解しないと、Drupalで目的とするページ構成で記事を作成し公開することが出来ません。
- タグやタクソノミーの設定は| ホーム > 管理 > サイト構築 > タクソノミー |のメニューで//記事内容//という//ボキャブラリー//を設定し、//古着//という//ターム//を設定します。
- その後、| ホーム > 管理 > サイト構築 > コンテンツタイプ |のメニューで、//記事//という//コンテンツ//を選択、//フィールドの追加//でタクソノミーで設定した//記事内容//の//ボキャブラリー//を割り当てます。この設定を行うことで//記事//という//コンテンツ//に//記事内容//という要素が追加され//古着//という//タグ//をページに持たせる事が出来るようになります。
- 実際に古着の記事を書き公開するのは| ホーム > 管理 > コンテンツ > コンテンツ |で行います。ここで新規作成する記事を//記事というコンテンツ//を選択して作成しますが、先ほど設定した//記事内容//のタグがフィールドで選択可能になり、//古着//というタグを作成したページに持たせる事が出来ます。
文書で流れを説明しましたが、分かりにくいので補足すると、実際にページを作成する際、デフォルトでは作成するページに古着というタグを入力して割り当てる機能がありません。//タグはデフォルトで用意されていますが1つのみで別の用途で使用
この古着というタグをページで使えるようにするため、タクソノミーのメニューでタグを設定し、ページ作成を行う記事というコンテンツに、コンテンツの設定を行えるコンテンツタイプのメニューからタグを使用できるように設定を行います。
この設定を行うことで以降ページを作成する際に、古着というタグを使用可能となっています。ページ作成の場所に設定項目がなく、設定項目は専用のメニューから行うという、Drupalの基本構成でありルールのようなものを理解しないとデフォルト状態のページ構成でしかページを作成出来ないので、今回記事としてまとめています。
上記で書いたコンテンツだけでなく、Drupalが持つ自由度の高い機能を使用していくにあたり理解する必要のある概念とルールなので、管理メニューを整理し概要でまとめました。それぞれの機能の使用方法や設定は、実際にWEBサイトを構築していく過程で必要になるので、今後記事としてまとめていければと考えています。
私がWordPressの使用からDrupalを使用する際に最初に躓いた項目で、WordPressは使用テーマやプラグインに設定を依存している事で、WordPressのコアプログラムで行う設定をあまり意識せずともWEBサイトが構築出来てしまいます。
Drupalはテーマやモジュールの設定に依存している事はWordPressと変わらないのですが、部分的で、設定によってはDrupalのコアプログラムが持つ設定項目を使用してWEBサイトを構築して行きます。
両者の考えの一長一短は別問題ですが、WordPressが初学者でも形に出来やすい理由に、テーマやプラグインがパッケージ化されておりGUI化されたデフォルト機能に必要な設定は済まされた状態で配布されているものが多く、その機能を使用するだけでWEBサイトが構築出来てしまいます。
Drupalで配布されるテーマやモジュールはWordPressで配布されるものに比べ、初期設定も最低限のものが多く、今回の記事で書いたように、Drupaのコアプログラムで必要な設定項目を行わないと、目的とする形のページにならない事があり、この事が、Drupalをインストールし、テーマもインストールしたが、先に進まず使用を諦めてしまったといったケースになっているのではないかと考えています。
Drupalコアプログラムが持つ設定の自由度の高さと、それを利用するための概念とルールを理解することがDrupalを利用していく最初の鍵であるので、この辺りをもう少しわかりやすく説明できれば、Drupalを利用する方が増えるのではないかと考えています。
Drupal > Content.
次項は、今回解説したAdminコンソールのメニューにおいて、ページを作成するメニューであるコンテンツの概要をまとめてみます。